毎度NASを購入しようと思うたびに、どういった仕様で、どこに気をつけてたらよいのか忘れてしまうことが多いので自分用メモも含めてNASの選び方を記載しています。NAS選びに迷った時に参考にしてみてください。

私個人はNASやネットワーク構築に関して素人です。間違っていることも多いと思うので、参考程度によろしくおねがいします。(間違っているところがあればご指摘いただけるとありがたいです)

現在、DS218PlayとTS-253Dをメインで運用しており、これらを選んだ理由なども記載していきたいと思います。

NASを選ぶ基準は?大量のデータをバックアップするなら速度を基に使用

NASの選ぶ基準の一つに読み込み速度、書き込み速度を気にすると、運用していてものすごく快適さが違います。

私自身、NASはすでに5台ぐらい運用してきましたが、以前はNASを購入するときにあまり速度にこだわっていませんでした。その結果、写真や動画の読み込み、書き込みが遅く、何をしても時間がかかりイライラした経験があり、次はNASを選ぶときは「速度」を気にして選んでみようと思い、色々試行錯誤してきました。

NASの速度は、それぞれの部材の限界値を知ることから

速度と言っても、NASは色々な要因で速度が制限されてます。気にするポイントは下記の通りです。

  • NASとルーター、ハブ、PCなどを接続する配線(LANケーブルはCAT5、CAT6など)
  • NASとルーター、ハブ、PCなどを接続しているネットワークの速度(外部アクセス時)
  • NASのネットワークアダプタの規格、接続先の規格(1GbE、2.5GbEなど)
  • NASに入れるHDD/SDD/M.2 SSDの速度
  • raidのバージョンは?
  • NASに入れるHDDのとNASの接続アダプタ(SATA、ePCIeなど)

個人的にこの中でもポイントとなるののは、記憶装置(HDD/SSDなど)の読み書きの限界値とネットワークアダプタの環境(1GbE、2.5GbE)をよく確認することかなと思います。

まず、LAN接続のNASの場合、搭載されているLANアダプタが1GbEなのか、2.5GbEなのかなど、速度の環境を確認してから購入しましょう。

有線LANの規格

まずは有線LANネットワークの規格を確認してみましょう。

10/100BASE-T 1000BASE-T(1GbE) 10GBASE-T(10GbE)
帯域幅 100Mbps 1Gbps 10Gbps
転送速度 12.5MB/s 125MB/s 1.25GB/s

NASに接続する際に、どの規格に対応しているか確認する必要があります。

NASに搭載されいてるLANポートは1GbE?2.5GbE?

現在、多くのNASで採用されているのが、1GbE(スループット1Gbps)のLANポートですが、2.5GbEのLANポートを標準で搭載しているNASも徐々に増えて来ています。また、NASに拡張してLANカードを取り付けられる機種もあり、10GbEのLANカードもあります。

GbE 1GbE 2.5GbE 5GbE 10GbE
転送速度(論理値) 125MB/s 312.5MB/s 625MB/s 1.25GB/s

1GbEでは論理値125MB/sですが、2.5GbEは2.5倍となり、単純に言えばファイル転送にかかる時間が2.5倍速くなるということです。(実際にはそんなに単純に2.5倍も速くなることはないし、論理値の速度はでない)

2.5GbEのLANポートを搭載しているNASは、asustorのDRIVESTOR 4 (AS1104T)や、QnapのTS-x53Dシリーズなどがあります。まだ、若干高いと感じますがそれでもかなり安価に2.5GbE環境が手に入るようになってきたなと感じています。

5GbEのLANポートは個人的に中途半端な気がしますが、Qnapから(NASではなく)USB LANアダブターとして、QNA-UC5G1Tが発売されています。

ここで注意したいのは、NASだけが対応していても接続する他の端末が対応していなければ意味がないということ。NASのLANポートが2.5GbEに対応していても、接続するPCやスイッチングハブ、ルーターなどが1GbEのLANポートなら、1GbEになってしまうということです。

現在のルーターでもハブでも1GbEの商品がほとんどなので、1GbEのNASを購入する人には特に何も意識しなくてもよいでしょう。が、NASで2.5GbEを体験してしまうと1GbEには戻れないと思うほど読み書きが速く、個人的には今からNASを買うのであれば、2.5GbEのLANポートを搭載している機種をおすすめします。(NASで1GbEのLANポートしかなくても2.5GbEのUSB LANアダプタを利用して2.5GbEを実現させることも可能ですが、素直に2.5GbE搭載のものを購入するほうが個人的にはよいかなと思います。)

LANケーブルのカテゴリーに気をつけよう

速度にこだわってNASやNIC(ネットワークインターフェイスカード)を揃えても、LANケーブルが対応していなければ意味がありません。

カテゴリー 速度 伝送帯域
CAT6A 10Gbps 500MHz
CAT6 1Gbps 250MHz
CAT5e 1Gbps 100MHz

1GbEでの接続ならCAT6のLANケーブルでもよいですが、2.5GbE対応のNASを利用するなら10Gbps対応のCAT6Aを利用したほうがよいでしょう。ただ、マルチギガビット・イーサネット対応製品であれば、CAT5e、CAT6のLANケーブルで最大5Gbpsの通信が可能。対応しているかの確認は必要だけど、まずCAT5eで試して速度がでなければ、CAT6AのLANケーブルに変更する方がコストも効率も良い気がします。

ちなみに管理人が利用しているBUFFALO LUA-U3-A2G(2.5GbE対応LANアダプタ)やQNAP QNA-UC5G1T(5GbE対応LANアダプタ)では対応しているようで、CAT5eでも2.5GbEを最大限活かせる転送速度がでていました。

今現在、一番普及しているLANケーブルはCAT5eかなと思うので、CAT5e以上のものであれば、それほど気にしなくてもよいかもしれません。もし、速度が出なかったらLANケーブルを疑ってみましょう。

HDD、SSD、M.2 SSDどれを使う?

HDDやSSDはSATA接続で、現在SATA3が主流で転送速度は6Gbps(実行速度4.8Gb/s or 600MB/s)、SATA2でも3Gbps、SATA1で1.5Gbsとなっています。NASもSATA接続がほとんどです。

NASの中に入れる記憶装置の種類(HDDやSSDなど)はどれにするかでも読み込み、書き込み速度が違います。HDD、SSDの速度は一概には言えませんが、

HDD 大体180〜230MB/s前後
SSD 大体300〜550MB/s前後

HDDの場合は大体180〜230MB/sとなっており、各HDDのメーカーページで速度(論理値)を公開しているところがあるので確認してみてください。

SDDは状況により違うことが多いのですが、大まかに300〜550MB/sに収まるのではないでしょうか。HDDよりかなり速いですがSSDの方が劣化しやすいので、NASで利用するとなるとどういった用途で運用するのかをよく検討してから決めた方が無難だと思います。

また、1GbEのLANポートを搭載してるNASにSSDを選んでも意味がありません。1GbEは125MB/sなのでLANポートがボトルネックとなり、全くSSDの速さを活かせません。

M.2 SSDを搭載できるNASはまだまだ限られていますが、QnapからTBS-453DXなどが発売されていますし、NASを拡張してM.2 SSDを搭載できるNASもあります。M.2 SSDを最大限活かそうとすると10GbEのインターフェイスが必要です。まだまだ個人では敷居が高いかなというのが個人的な感想。

速度まとめ

NASで速度を重視する場合は、それぞれのパーツの限界値をしっかりと確認し、ボトルネックとなる部分はどこかをしっかり把握することが大事です。NASにSSDを搭載しても1GbEのLAポートでは最大限の速度を活かせません。10GbEのLANポートがあってもHDDを利用するのであれば、これも最大限の速度を活かせません。

このように、それぞれの限界値をしっかり把握し、自分がどのように運用したいか見極めるのが大事です。

拡張性はあるのか?拡張できるものは中価格帯以上のNASのみ(エントリーモデルでは皆無…)

NASには自由にメモリを入れ替えたり、PCIe拡張スロットがあるモデルも多くなってきており、それらを選ぶと、比較的長くNASをりようできる思います。

メモリは入れ替えられるか?

はじめからメモリはたくさん積んでいるものを買えばいいだけの話かもしれませんが、NASでデータ保管のためだけに運用していれば、それほどメモリが必要ではないかもしれません。

ただ、各NASメーカーは色々な機能を付けたりしており、年月とともに(ファームをアップデートしたりして)徐々にメモリ容量が増えていくかもしれません。

私は現在、写真と動画のデータ置き場としてDS218 Play(メモリ1GB)を利用していますが特に問題はありません。ただ、1GBのメモリでそろそろ限界ぐらいかなという感じなのですが、このモデルはメモリ交換不可です。(現在なら2GBあると余裕かなというのが個人的な感想。)

そして私は仕事用にもう一つNASを運用しており、TS-253D(メモリ4GB)を所有しています。こちらは色々とアプリなどを動かしていることもありますが、メモリ交換可能なモデルなので、自分で16GBに増量しています(本製品は最大8GBまでの仕様なので自己責任)。

メモリ交換できる方がかなりメリットが大きく、個人的には少し金額が高くても長く使うならメモリを交換できるNASを選ぶのが良いと思います。

PCIe拡張スロットで可能性が広がる

PCle拡張スロットを備えたNASが増えてきています。以前は高価格帯のものにしかなかったのですが、Qnapは中価格帯(例えば、TS-x53Dシリーズなど)、Synologyなら高め価格帯(DS1621+など)のモデルで拡張スロットを備えています。

1GbEのLANポートしかなくてもPCle拡張スロットがあれば10GbEの拡張カードを挿すこともできるし、M.2 SSDを拡張ポートに挿すことができるので、今後の運用方法が変わっても柔軟に対応できそうです。

私がTS-253Dを買った理由の一つは将来的に10GbEの拡張カードを使って運用したいと思っていたからです(とはいえ、速度はHDDの限界値があるので10GbEは将来も必要なさそうな予感…w)。

少し注意したいのは、PCI Expressの世代とレーン。 現行でいうとPCle gen2、gen3なのか、レーン数は1、4、16本なのかなどを考慮しなくてはならない点。

例えば、TS-453D/TS-653DはPCIeスロットがGen2x2ですが、TS-253Dはgen2x4となっており、速度的に10GbEが活かせる(理論値ですが)ことになります。

搭載されているUSBの規格は?個数は?

以外と盲点なのが、搭載されているUSBの規格です。USB3.0なのか、USB2.0なのかはしっかり把握しておいたほうがよいでしょう。

規格 転送速度 (理論値)
USB3.2 Gen2x2 最大20Gbps
USB3.2 Gen1x2
USB 3.2 Gen2x1
最大10Gbps
USB3.0
USB3.1 Gen1
USB3.2 gen 1×1
最大5Gbps
USB2.0 最大480Mbps

特にややこしいのは、USB3.xのバージョン。バージョン違いで速度が異なるので注意が必要です。また、USB3.2はType-Cしかありません(NASで採用されているところは今の所ないかな?)。

USB GenZ×Yで

  • Z:Gen1は5Gbps・Gen2は10Gbps
  • Y:レーン数

となり、USB 3.2 Gen1×2と記載されているのは、Gen1の5Gbpsに2レーン仕様で10Gbpsということになります。

2021年7月現在だとエントリーモデルのNASでもUSB3.2 Gen1を搭載していることが多いので、特別

拡張性まとめ

基本的にエントリーモデルのNASの場合、全くPCle拡張スロットなし、メモリ交換できないというものがほとんどです。データ置き場としてNASを検討しているならば、これでもよいかもしれませんが、将来的にアプリを使いたい、LANカードを追加して転送速度を速くしたいなどと考えている時は拡張できるNASを購入しておくのがベストです。

Qnap TS-253Dで2.5GbE時の速度は?

では実測値を紹介したいと思います。色々と検証してみたいので、機材違いなどの例も記載してみました。

【ex1】2.5GbE – TS-253D + TL-SG105-M2 + LUA-U3-A2G + Surface Pro 3

接続方法は、

  • Qnap TS-253D(NAS) – HDDはMN06ACA800/JP – 230 MiB/s(241MB/s)
  • TP-link TL-SG105-M2(スイッチングハブ)
  • BUFFALO LUA-U3-A2G(2.5GbE対応LANアダプタ)
  • surface pro 3
  • LANケーブルはすべてBUFFALO BSLS6AFU10BK(Cat6A)

となります。2.5GbEの速度が体験できる接続環境です。

ジャンボフレーム無効
ジャンボフレーム9k

シーケンシャルリード / シーケンシャルライト共になかなか良い数字で、2.5GbEにする意味がある結果となっています。HDDの速度が東芝のサイトによると230 MiB/s(241MB/s)と記載されていることから、HDDの限界値ぐらいの速度です。

【ex2】2.5GbE – TS-253D + TL-SG105-M2 + QNA-UC5G1T + Surface Pro 3

接続方法は、

  • Qnap TS-253D(NAS)
  • TP-link TL-SG105-M2(スイッチングハブ)
  • QNAP QNA-UC5G1T(5GbE対応LANアダプタ)
  • surface pro 3
  • LANケーブルはすべてBUFFALO BSLS6AFU10BK(Cat6A)

となります。2.5GbEの速度が体験できる接続環境です。【ex1】と違うのは、5GbE対応(2.5GbEでの速度)のQNA-UC5G1Tを利用している点。

ジャンボフレーム無効
ジャンボフレーム16k

こちらも満足できる結果で2.5GbEにする意味が多いにありました。若干ですが、バッファローのLUA-U3-A2Gの方がシーケンシャルライトの結果がよく、ランダムはQNAP QNA-UC5G1Tの方が常に良い感じでした。